今やAI(人工知能)の話題で持ちきりです。新聞もテレビも、AIを取り上げない日はありません。将来性を見越して、企業も莫大な投資をし、国家ぐるみで支援しているところも少なくありません。先進国の中で日本は力の入れ方で一歩出遅れているとも言われますが、AIは日本人には向いているから何も心配することはないと、ある識者の方が言っておられましたが、私も同意見です。AIの急速な利用拡大と進化に、大きな期待が持たれる一方で、危惧を抱き規制を求める声も強くなっています。AIの危険性を恐れる動きは、どちらかというと日本より西欧諸国のほうが強いようですが、これは宗教観の違いにもよるのではないでしょうか。彼らは、ロボットにしろコンピューターにしろ、人間に近いものほど、出現の際には恐れを抱きがちです。神の御心に反するサタンのように感じるからでしょうか。それにくらべて日本では神様自体が人間っぽく、八百万もおわして、万事に対してとても寛大です。神社とお寺の両方お参りしても誰も咎めません。日本では、幽霊も鬼もどこか憎めない存在ですし、妖怪までもが友だち扱いされます。つまり正か邪かあまり決めつけない融通無碍なところがあり、異質な文化も割と抵抗なく受け入れるのが日本人の特性だと思います。ですからロボットにしても、鉄腕アトムに象徴されるようにすぐ友だち扱い、仲間扱いしてしまうのです。◆◆AIも悪用される危険性ももちろんあり、知ったかぶりしてウソをつくこともありますが、あまり過信をせず、テキトウに肩の力を抜いて付き合えば、シニアにとっても結構面白い仲間になるのではないでしょうか。なんて言えるほど、まだAIとのつきあいも深くなく、理解も十分ではありませんが、二三試した例を挙げてみますので参考になればと思います。◆◆まず心得ておくことは「AIをあんまり過大評価や尊敬しない」「ある程度自分なりの答を持っていることを訊く」ということでしょう。AIのアプリを開くと、まず「何でも訊いてください」という表示が出て、実際に何かについて訊くと、間髪を入れず自信満々の回答が表示されます。そこでついつい万能な物知りに出会ったみたいに錯覚し、へりくだってしまいがちになるのですが、そんなことはありません。実は、このホームページを再開する際に、すでにドメインとして使用してきたMOBAの略称を継承しつつ新たなコンテンツに相応しいタイトルを提案させたのですが、何十という提案の中からコレはというものが見つからず、結局、相談した友人のアイデアをもとに「モアベターエイジング」のタイトルの着想に到ったのです。AIもまだ進化の途上ですから決めつけるわけではありませんが、今のところでは模範解答はしてくれるけれど、飛躍的発想、ヒラメキにやや欠けるような気がします。◆◆やはり、このホームページの参考になればと「人生とは?」という問いかけをあるAIアプリにしてみました。答はできるだけ短くと要望しました。すると1秒も経たないうちに「人生とは、喜びや悲しみ、挑戦や成長、そして繰り返す時間の連続だと思います」と回答してきました。なるほど見事な模範解答には違いありません。でもこれには「人生は旅」あるいは「人生は出会い」という発想はありません。もう少し別の問いかけ(プロンプトというのだそうです)や長い答をリクエストすれば、また違った答が来るかもしれませんが。◆◆もう一つ、「幸せ湧く話句」の参考にと「幸せとは?」と問いかけてみました。答の長さは制限しませんでした。すると答は「幸せとは非常に個人的で主観的な感情であり、人それぞれ異なる形で感じられます。一部の人にとっては家族や友人との良好な関係が幸せの源かもしれませんし、他の人にとっては自己実現や目標達成が重要かもしれません。また日常の小さな喜びや感謝の気持ちを持つことも幸せにつながります。心理学的には、幸せは満足感や喜び、意義を感じることから生まれるとされています。そして、外部の状況だけでなく、自分の内面の考え方や価値観も大きく影響します。総じて言えることは、幸せは異なる形で存在し、それを追求する過程自体が人生の一部であるということです。あなたにとって幸せとは何かを考えてみることも大切ですね」まあこんな具合です。◆◆AIの口調を借りれば、総じて言えることは、AIは万能の神として頭から信じたり頼り切るものではなく、気楽な友だちとして付き合えば、シニアにとっても楽しい話し相手になるかもしれませんね。

《写真:写団けやき土田厚実)
