MOBA・幸せ湧く話句「毎日が発見」

シニア向けの情報誌が今年定期刊行を終了しました。オンラインでの情報発信は続けるようですが、事実上の廃刊です。そのシニア誌の名は「毎日が発見」。書店売りでなく、宅配方式を採っていたので、ご存知ない方も多いでしょうが、不況と言われて久しい出版業界にあって二十年以上刊行したのですから、よく続いた方だと言えるかも知れません。でも、私としてはやはり残念に思えてしかたありません。ここ一二年は、同じシニア向けのライバル誌「ハルメク」(元の題名は「いきいき」)にかなり押され気味で、だいじょうぶかなあとハラハラしていた矢先の終刊でした。なんで部外者の私が気を揉むのかと思われるでしょうが、実は、この雑誌の創刊時のプロデュースを請負ったのが私で、「毎日が発見」という題名の言わば「名付け親」でもあるからです。(下掲の写真はデモ用の創刊0号と企画書)。もっとも、発行元はその後変わり、編集者や編集方針も何度か変わりました。でも「毎日が発見」のタイトルは継続されました。私はここで思い出話や自慢話をするつもりはありません。けれど、この雑誌の創刊の「心」と「毎日が発見」の題名に込めた思いは雑誌が終刊しても何らかの形で遺し、伝えておければと思ったからです。◆◆創刊企画当時、同様のシニア向けの雑誌としては「悠々」(既に廃刊)と「いきいき」(後にハルメクに改題)の二誌が先行していました。後発誌として、他誌とは異なる切り口(コンセプト)とそれに相応しいタイトルを、と考えた末たどり着いたのが「毎日が発見」でした。シニアライフを「悠々」自適に生きるのも、「いきいき」過ごすのももちろんいいことにはちがいありません。でも、シニアだって好奇心を持ちつづけ、日々何か新しいことを追い求めるモアベターな生き方があるのではないか‥‥これが「毎日が発見」の原点でした。◆◆その気にさえなれば、私たちの周りには、新しい発見のネタがいくらでも転がっています。手っ取り早いものでは毎日配達される新聞。朝刊一部の文字数は、週刊誌一冊分より多いそうです。その中には自分がそれまで知らなかった言葉や知識がいっぱい潜んでいます。それらは、何も新しい用語や情報とは限りません。文化欄、短歌俳句などの文芸欄、あるいは超難関クロスワードなどから、こんなに長く生きてきながら知らなかった言い回し、熟語、ことわざなどがまだまだたくさんあったのだなあと、改めて気づかされます。◆◆そうはいっても、新しい発見をしたところで何になるの、という疑問が生まれるかも知れません。若い時のように仕事に生かせるわけでもありません。災害の報道記事があっても、被災地に駆けつけボランティア活動することも出来ません。自分の気休めに僅かな義援金ヲ出すくらいがせいぜいです。なんのために生きているのかと無力さを感じることもあります。そんなとき、ある言葉を思い浮かべると勇気づけられ、気がラクになります。それは先年亡くなった文明評論家の森本哲郎さんの著作の中で見つけた次の言葉です。「人生の目的生きる意味といってもいいでしょう)は自分の世界を少しでも広く、少しでも深く構築することである」です。そうか、そう考えればいいんだ! そういうことだったら、年を取って少々からだの動きが鈍くなってからでもも出来そうな気がしませんか? 日々出会う新しい知識やことばを自分の中に取り込む「毎日が発見」という意志と行為そのものが「生きる意味」につながるからです。